税源移譲に伴う経過措置として平成20年度分から住民税にも住宅ローン控除が取り入れられていますが、平成22年度分から住民税に新たな住宅ローン控除制度が創設されました。これについてよくある質問などをまとめました。
 
 
(新たな住宅ローン控除とは)
22年度分から創設される住民税の新たな住宅ローン控除とは、どういう控除ですか。

平成20年度分から住民税にも住宅ローン控除が取り入れられていますが、どちらも税額控除であるという点は同じです。しかし、従来の住民税の住宅ローン控除が税源移譲に伴う所得税のローン控除額の減少分の補てんという経過措置であるのに対し、今回新たに住民税に創設された住宅ローン控除は、所得税で引ききれなかった住宅ローン控除を住民税から控除するものです。ただし、控除限度額があり、所得税で引ききれなかった分がすべて住民税で控除されるわけではありません。

 
(新たなローン控除額は)
住民税の新たな住宅ローン控除の控除額は、いくらですか。

控除額は、次の(1)の金額です。ただし、これがゼロ以下の場合は、この控除の適用はありません。また、(1)の金額が(2)の金額を上回る場合は、(2)の金額が控除額となります。結局、(1)、(A)、(B)の金額のうち最も小さい金額が控除額となります。

(1)住民税の住宅ローン控除額

住民税の住宅ローン控除額

(2)控除限度額

(A)課税所得基準額 =前年分の所得税の課税総所得金額等×5%

(B)定 額 限 度 額 =97,500円

なお、(A)の5%と(B)の97,500円の都道府県・市区町村別内訳は、それぞれ2%と3%および39,000円と58,500円で、この計算は都道府県民税、市区町村民税の別に行われます。

 
(控除を受けられる人は)
どういう人が新しい住宅ローン控除の適用が受けられるますか。

その住宅を居住の用に供した年が次の表の「居住年」に当たる人で、前年分の所得税について住宅ローン控除の適用を受けた人です。

住宅ローン控除対象者

これらの人が、控除対象年度分の住民税について控除を受けます。したがって、所得税について住宅ローン控除の適用が受けられなかった年分については、住民税の住宅ローン控除は受けられませんし、居住年が平成19年又は同20年の人は受けられません。

 
(従来の住宅ローン控除はなくなったの)
18年以前入居者でも新しい住宅ローン控除が受けられるということですが、住民税の従来の住宅ローン控除はなくなったのですか。

従来の住宅ローン控除は廃止ではなく、現在も生きています。ただし、従来の住宅ローン控除の適用を受けた場合には、新しい住宅ローン控除の適用はありません。つまり、居住年が平成11年から平成18年までの人は、従来どおり、住民税の「住宅借入金等特別税額控除申告書」を市区町村に提出して従来の住宅ローン控除を受けることもできますし、それをしないで新しい住宅ローン控除を受けることもできます。

 
(新旧どちらが得)
18年以前入居者は新旧両制度が選択できるということですが、どちらが得でしょう。

新しい住宅ローン控除は、所得税で引ききれなかった住宅控除ローンを住民税から控除するものですが、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%という控除限度額があります。これは基礎的な税源移譲部分に相当します。したがって、基本的にはどちらを選んでも控除額は変わらないはずです。しかし、定額での控除制限もあるため、必ずしも課税総所得金額等の5%相当が控除されるとは限らず、一概にはいえません。一般には、次のような場合には、従来のローン控除を選択した方が有利な場合があるということです。

(1)退職所得や山林所得があるとき

(2)平均課税の適用所得があるとき

 
(バリアフリーローンは)
この特例は、バリアフリーローン控除も対象になりますか。

所得税において特定増改築等(バリアフリー改修工事、省エネ改修工事など)に係る住宅ローン控除、住宅耐震改修特別控除等の適用を受けても、この特例は適用されません。ただし、これらの改修工事が一般の増改築等工事として行なわれ、所得税において一般の住宅ローン控除の適用を受けるときは、この特例の適用があります。

 
(控除を受けるためには)
この特例の適用を受けるためには、何か手続きが必要ですか。

所得税において住宅ローン控除の適用を受けるための手続き(確定申告、年末調整)がしてあれば、それ以外には、この特別の適用を受けるための特別の申告等は、原則として、不要です。この点が従来の住民税の住宅ローン控除とは大きく違います。

従来の住民税の住宅ローン控除の適用を受けるためには、所得税の住宅ローン控除の適用を受けるための手続きとは別に年度ごとに住民税の「住宅借入金等特別税額控除申告書」を市区町村に提出しなければなりませんでしたが、その必要はありません。

ただし、所得税の住宅ローン控除の適用を受けるための手続きは必要で、その期限は、原則、毎年3月15日ですが、住民税の納税通知書の送達の時まではできます。

 
(年末調整でも受けられますか)
新しい住宅ローン控除は、年末調整でも受けられますか。

初めて住宅ローン控除を受ける年分については、所得税の住宅ローン控除を受けるためには確定申告が必要ですが、サラリーマンは2年目からは年末調整でも受けることができます。この場合には、それだけでこの特例の適用が受けられます。なお、年末調整で住宅ローン控除を受けず、所得税の確定申告をすることもできます。

 
(源泉徴収票のポイントは)
給与所得者の源泉徴収票で新しい住宅ローン控除の適否を見分けるポイントは何ですか。

次の点がポイントです。

  1. 「源泉徴収税額」が「0」か …「0」でないときは適用なし
  2. 「居住開始年月日」は …適合しているか
  3. 「住宅借入金等特別控除可能額」>「住宅借入金等特別控除の額」か …そうでなければ適用なし